▼まとめ記事
\夏井先生が季語をわかりやすく解説された本ですよ~/
3月は月初から予選会が始まり、ようやく決勝進出者が決まりました!
▼予選会の結果はコチラ
プレバト俳句 2023年春光戦 決勝メンバー
プレバト俳句 2023年春光戦 お題「給与明細」
レベルがどんどん上がった挑戦者たちに、今回も手ごわいお題が出されました!
夏井先生が冒頭に「9位までは詩がありました」と、皆がぎょっとするお言葉から始まりましたよ( ˘ω˘ )
春光戦2023|第1位
FUJIWARA藤本敏史さん 永世名人
給与手渡し 春宵の 喫煙所
2022年秋のタイトル戦でも優勝を飾ったフジモンさんが、春もタイトルを獲りました!
給与を手渡ししていた時代の町工場をイメージして詠んだ句とのこと。
夏井先生の評価
この「春宵」という季語が、適切な場所で主役としてしっかり立っている。
「やっと給料日が来たよ」といった談笑が聞こえてくるようなほのぼのさと、タバコの匂いもしてくる。直に受け取る充実感があり、懐が温かい。タバコを吸い終わったら「よし、今日は一杯やって帰るか」なんて話す春の宵。
小さなところにちゃんと目を付けて季語を主役に立てる、というところがお見事でした。
直しなし!
春光戦2023|第2位
皆藤愛子さん 名人4段
ギャラ明細は二行 療養の春
皆藤愛子さん、初の2位です!
皆藤さんは2年前、突発性難聴で活動休止をされていたそうです。
当時の実体験を句にしたとの事。
夏井先生の評価
細部がお上手。「ギャラ明細」から入るので、芸能関係のお仕事なのかな?とわかりますし、「二行」というのがリアルです。もう少し季語を主役に押し上げるとすれば、語順を変えた方が良い。
\添削/
療養の春や ギャラ明細二行
最初に共感を作っておいて最後に人物像が具体的になっていく、この語順にしていれば1位といい勝負だったそうです!
春光戦2023|第3位
梅沢富美男さん 永世名人
鞦韆に 退職の日の 花束と
鞦韆(しゅうせん)とはブランコの事で、春の季語だそうです( ˘ω˘ )
前回の通常回で、ついに句集完成となりましたが惜しくも優勝とはならず!
ブランコに乗っているように毎日毎日会社勤めを繰り返すが、いつかは降りないといけない、退職の日が来る。という光景を詠んだのだそうです。
夏井先生の評価
鞦韆を取り合わせてくることは良かった。また「花束と」の「と」が大事。「と」とすることで、自分と花束「と」が一緒にぽつんとそこに居る表現ができる。しかし「鞦韆に」の「に」という助詞は、説明的・散文的になってしまう。上五の「に」を使う時は要注意。
「に」以外にありえないかを吟味して、その上で使うか使わないかを考えるべきタイプの助詞です。
ただ、梅沢さんの言いたいことを考えると「に」は外せないことが分かったので、「に」の説明臭さを取って、余韻に変えましょう。
\添削/
退職の日の 花束と 鞦韆に
このような語順にすれば、最後の「ブランコに腰かけている」という余韻が生まれ、もう一度退職の日の感慨に戻っていくような句になる。
という指摘に梅沢さんは「恐れ入りました」と言いつつも、「でもね!」と気持ちが収まりませんw
添削された句はもちろん良いけど、「元のままでも充分じゃない!?」と嚙みつくと、夏井先生は思わず「ハッ!( ´∀` )」と思わず大笑い。
先週ようやく句集を完成させた自分が、番組の絵面的に1位でいいんじゃない!?と言い張ると、夏井先生は「あんたねぇ、これで良いじゃないかって自分を甘やかすんなら句集出すのもうちょっと延ばした方がいいんじゃない?」と手厳しく返されました。
焦った梅沢さんは「編集で切れよ!今の!」と声を荒らげると皆さん爆笑w
番組をいつでも盛り上げてくれる梅沢さんが大好きです(*‘ω‘ *)
春光戦2023|第4位
フルポン村上健志さん 永世名人
保護シール 剥がす手応え 啄木忌
「啄木忌」は俳人・石川啄木の命日を表す春の季語だそうです。
石川啄木という人の、生活苦であったり庶民的な感じと、情報を隠す保護シールを剝がすときの独特の感触とが相性良いのではないかと思って詠んだとのこと!
夏井先生の評価
「保護シール」に発想を飛ばしたのは良い。
しかし悩ましいのは「手応え」。お題の写真を見ていれば、この「手応え」はシールを剥がすときに感じるものだと読み取ることはできるが、写真が無ければ「今月の給料はたくさんもらえそう」という意味の「手応え」とも読んでしまう。
読み取り方によっては啄木を皮肉ったようにもとらえられ、村上さんの意図とずれてしまう恐れがある。
でも良いところに目を付けたとは思います。
\添削/
保護シール剝がす 啄木忌の明細
または
保護シール強し(こはし) 啄木忌の明細
「こうすると詩の純度が上がってくる」との評価でした!
春光戦2023|第5位
千原ジュニアさん 永世名人
口座開設 朱肉拭きとる 夏近し
千原ジュニアさんは15歳の時に吉本興業から銀行口座を作ってくるよう言われたそうです。
100円で印鑑を買って「これからお笑いで飯を食っていけるのか」という大きな不安と、それでもこの口座にギャラが振り込まれていくのか・・・!という希望を感じた事を句にしたそうです!
感想を聞かれた梅沢さんは、良い句だとしつつ、季語が動くんじゃないかとの指摘。※季語が動
くとは、他の季語でも成り立つということ
しかし、ジュニアさんは「動かない!」ときっぱり。なぜかフルポン村上さんも一緒にきっぱり。
ばっさりと切られた梅沢さんに、浜ちゃん大笑いですw
夏井先生の評価
中七がリアルであることは間違いない。朱肉を拭きとって綺麗になったハンコまで見えてきてとても良い。
季語が動く・動かない問題は、「夏近し」という季語は、はつらつとした感じもあれば春が終わっていくという微妙なニュアンスもある。作者の実体験に基づいた気持ちを詠んだんだから良い、という意見もあれば、やはり季語が動くのではと感じる人もいる。評価の分かれる句だと思う。
ジュニアさんは自身が吉本に入ったのが4月ではなく5月だったという思いもあり、季語は変えたくないご様子。
それを受け夏井先生は「自分としては季語は動かさない」と決めれば良いですよ。と否定はせず。
しかし、別の部分での指摘が入り、添削へと続きます!
ささやかな問題だが、読んだときに句が途切れ途切れになっていること。ご自身も感じているのでは?
そのように感じる理由は、
「近し」の形容詞と「拭き取る」の複合動詞という動作を表す言葉が続くことで、少々韻律(いんりつ)がバタつく。
うおーーー!むずかしい話しになってきた(;^_^A
しかし、これはジュニアさんを認めているからこそ、本気の添削が入ったとお見受けいたします!
「朱肉を残すだけでいいんです」と夏井先生。
\添削/
口座開設 拭き取る朱肉 夏近し
このように添削が入ると、梅沢さんらは「これはリズムがいい!」と絶賛。
朱肉の色や匂い、押すときの手触りを残して、映像を持たない「夏近し」という季語に向かうので「これは季語は動かない」と言い張れる。
この句はものすごくもったいなかった。との熱のこもった評価でした!
春光戦2023|第6位
森迫永依さん 特待生4級
本採用 朧夜の 缶チューハイ
前回の冬のタイトル戦を制した森迫さんはプレッシャーが大きすぎて、泣きながら考えたそうです(´;ω;`)
バイトの使用期間を終え、本採用になった嬉しさで、帰りに缶チューハイをかってみた気持ちを詠んだそうです。
応援枠で番組に参加していたキスマイ千賀さんは「本採用」は嬉しいことなのに「朧夜」を持ってくると、切ない印象になってしまうのでは?との指摘。
夏井先生の評価
千賀さんの指摘を褒め、やはり「朧夜」によって「本採用」がネガティブなイメージなのか読み手が迷ってしまう。例えば「通知」と入れれば本採用が決まったこともわかるし、季語を変えるだけで喜びの感情が伝わる句になる。
\添削/
本採用通知 春夜の 缶チューハイ
と、手直しは入りましたが、夏井先生は「相当着々と色んな事を身につけてますから、この調子でやっていきましょう」とのお言葉!
>>【プレバト俳句】冬のタイトル戦2023年「冬麗戦」の結果発表!
春光戦2023|第7位
キスマイ横尾渉さん 名人10段
春光の起業 ゲーミングチェア 届く
タイトル戦の安定感抜群、過去優勝経験2回の横尾さん、残念ながら7位です・・・!
応援に来ていたキスマイ千賀さんは「起業」だけど一人しか居ないように読めてしまう事を指摘。梅沢さんも「届く」という言葉の選択がどうか、との感想を述べました。
夏井先生の評価
「春光の起業」という前半に、具体的な「ゲーミングチェア」という物を取り合わせたのは良いと思います。もったいないのは「届く」。千賀さんもおっちゃんも良く気づきましたね。
「届く」だと、自分一人のところに一台だけ自分の為の物が届くという印象を持ってしまう。
春光の起業 ゲーミングチェア 導入
夏井先生が「導入」という言葉を書くと、光景が浮かんだのか皆さん「あぁ・・・!」と感嘆しました!
春光戦2023|第8位
立川志らくさん 名人6段
桜蕊降る 陸自の戦車 しづか
前回の春光戦優勝の志らくさんが8位に・・・!
以前「昇吉に負けたら前座をやる」と言ってしまい、現実のものになってしまった志らくさん。今回も「昇吉に負けたら『師匠』と呼ぶ」と口走ってしまったのに、なんと8位に沈んでしまいます・・・!志らくさん、万事休す!
夏井先生の評価
テーマとの絡みという点において損はしているが、なかなか面白いものを出してきたな、と思いました。「桜蕊降る」はこれ全体で季語です。
桜の花びらが散った後、蕊だけが落ちて地面がほんのりと色づくような優しい季語に対して「戦車」を取り合わせることで柔らかさ、硬さ、冷たさ、大きい小さい・・・などの対比も生まれました。
もったいないと思うのは「陸自」という良い方でまとめてしまったこと。
昇吉さんがしきりに突っ込んでいた「ここはどこのこと?」が解消される。
\添削/
戦車しづか 桜蕊降る 駐屯地
こうすると駐屯地の大きな空間の静けさの中に、桜蕊だけが降ってくる。このような形で詠めていたら、上位3句に入れても良いくらいの素材でした。とのこと。
春光戦2023|第9位
春風亭昇吉さん 特待生4級
職を辞したる 尾崎放哉 鳥雲
予選の句が大反響だったそうですが、残念ながら9位に沈みました・・・!
志らくさんの句の時にボロクソおっしゃっていたにも関わらず、自身も9位に沈んでしまいました・・・。(周りは嬉しそうw)
尾崎放哉は、大正時代に活躍した俳人。
酒におぼれ、職を転々とする波乱の人生を送る自身のように、自由律を好んで詠んでいたそうです。
尾崎放哉のように、人は生きていくうえで働いているが、仕事辞めたい、職場変えたいという思いを「鳥雲」という、渡り鳥が北へ帰るような集団主義と、それに取り残されることを尾崎放哉に重ね合わせて詠んだとのこと。
む・・・難しい。これが東大卒の発想!
夏井先生の評価
おっちゃんの提案に賛成。「放哉」だけで通じる。人の名前を出すときにはもう一工夫あってもいいのかな、と思います。添削で多少は昇吉さんの言いたいことに寄せることはできる。
\添削!/
またも職 辞せる放哉 鳥曇
評価の冒頭「作者が分かってみると、また知識でねじ込もうとしやがった、とそんな気がしないでもない。」と笑いながらおっしゃった夏井先生w
予選の句が高評価だっただけに残念な順位でした~(+_+)
春光戦2023|第10位
勝村政信さん 特待生5級
我が給与 マックのバイトに 負けた春
今回のタイトル戦について夏井先生が「9位までは詩がある」とおっしゃっていましたが、参加者で唯一「詩がない」という評価を受けてしまった勝村さん・・・
夏井先生の評価
※準備中
マックのバイトに 追いつきたし春の 我が給与
「直したところで・・・」と厳しい評価をくだされたのでした・・・。次回に期待です!
2023年炎帝戦参加ルール
番組終わりに、早くも夏のタイトル戦の参加条件も今回発表されました!
「才能アリ経験者」なので、段位の有無は関係なし!
二階堂高嗣さん | 又吉直樹さん | 土屋太鳳さん | 市川猿之助さん |
粗品さん | 浅野ゆう子さん | 千鳥 大吾さん | 鈴木亮平さん |
ゆうちゃみさん | 加藤シゲアキさん | 朝日奈央さん | IKKOさん |
GACKTさん | 滝川鯉斗さん | 月亭方正さん | 林修さん |
杉山愛さん | ノンスタ井上祐介さん | ISSAさん | 中島健人さん |
ケンドーコバヤシさん | 小倉優子さん | 片岡鶴太郎さん | 山之内すずさん |
篠山輝信さん | 武尊さん | 伍代夏子さん | カズレーザーさん |
つるの剛士さん | 早見あかりさん | 小林幸子さん | あんり |
高田延彦さん | 嶋佐和也さん | 田中史郎さん | 緒形貴弘さん |
観月ありささん | 勝俣州和さん | 御嶽海久司さん | 柳ゆり菜さん |
藤井隆さん | 峯岸みなみさん | 坂上忍さん | トシ |
遼河はるひさん | 原田龍二さん | 相田翔子さん | 鶴見辰吾さん |
プレバト俳句・春光戦2023|まとめ
2023年の春のタイトル戦は、フジモンさんが優勝しました!秋のタイトル戦も制するなど、ノリに乗っていますね。
久しぶりに名人クラスがきちんと上位に君臨する、実力の差を見せつけた大会でした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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